「職場のメンバーとの食事は、仕事にとって意味があるのか」。リモートワークや飲み会離れが進む中で、あらためて注目されているのが、勤務時間の中にある「一緒にご飯を食べる」時間の価値です。この記事では、職場での共食(誰かと一緒に食事をとること)がチームにもたらす効果を、公開されている研究をもとに整理し、明日から取り入れられる実践のコツまで解説します。あわせて、社外に食事仲間を持つ選択肢として、ソーシャルダイニングサービス「Gourmate(グルメイト)」も紹介します。なお、対人関係全般における共食の心理は一緒にご飯を食べる心理の解説記事で詳しく扱っているので、この記事では職場・チームに絞ってお伝えします。

研究が示す「職場で一緒に食べる」効果

職場の共食については、海外の研究機関から興味深い報告がいくつも出ています。

米コーネル大学のKevin Kniffinらは、消防局の隊員を15か月にわたって調査し、ふだんから一緒に食事をとる隊ほど、上司からのチーム評価が高い傾向を報告しました(2015年)。食事の共有が職場の協力関係と結びつくことを示した研究として知られています(出典: コーネル大学ニュース)。

MITのベン・ウェイバーらの研究では、大人数でランチをとる人ほど社内のネットワークが広がり、パフォーマンスが高い傾向があると報告されています(Harvard Business Review 2014年、出典: Workspaces That Move People)。誰と食べるかが、情報の流れ方まで変えるという視点です。

また、英オックスフォード大学のRobin Dunbarは「Breaking Bread: the Functions of Social Eating」(2017年)で、社会的な食事の機会が多い人ほど幸福度や周囲への信頼が高い傾向を示しました(出典: オックスフォード大学ニュース)。職場に限らない研究ですが、食卓を囲むこと自体が信頼の土台になることを裏づけています。

なぜ食事がチームに効くのか

研究を踏まえると、職場の共食が効く理由は大きく3つに整理できます。

1つめは、役割から離れた会話が生まれることです。会議では議題のある話しかできませんが、食事の場では雑談が主役になります。相手の人柄や考え方に触れる機会は、業務上の信頼の土台になります。

2つめは、自己開示のハードルが下がることです。食事中はお互いの緊張がゆるみ、ふだん言いにくいことも自然に口にできます。困りごとの相談が早めに出てくるチームは、問題が小さいうちに手を打てます。

3つめは、部署やチームを越えた情報の流れができることです。いつも同じメンバーで固まらず、少し離れた席の人と食べるだけで、社内の見え方は変わります。

明日からできる職場共食の取り入れ方

特別な制度がなくても、職場の共食は個人の工夫で始められます。まず、週に1回でいいので、いつもと違う相手をランチに誘ってみることです。誘い方に迷う場合はご飯の誘い方の解説記事で紹介しているように、相手が断りやすい形で軽く声をかけるのがコツです。

少人数から始めるのも大切です。いきなり大人数の場を作ろうとせず、2〜3人のランチを重ねる方が会話も深まります。また、毎回同じ店ではなく、たまにお店を変えるだけで会話の話題が自然に増えます。食事会の会話が盛り上がる話題の記事もあわせて参考にしてください。

飲み会との違いと、やってはいけないこと

職場の共食と聞くと飲み会を思い浮かべる人も多いですが、ランチの共食は夜の飲み会と性質が違います。時間が区切られていてお酒が前提にならないため、参加のハードルが低く、家庭の事情やお酒の得意不得意に左右されません。

一方で、気をつけたいこともあります。参加を強制しないこと、食事の場を説教や評価面談の延長にしないこと、支払いのルールをあいまいにしないこと。共食の効果は、あくまで心理的に安全な場で生まれます。義務になった瞬間に逆効果になる点は、研究の背景にある考え方とも一致します。

社外に食事仲間を持つという選択肢

職場の共食に慣れてきたら、社外にも食事の場を広げてみる価値があります。利害関係のない相手との食事は、職場では得られない視点や刺激をもたらしてくれます。

Gourmate(グルメイト)は、「食」を起点に、人がつながるソーシャルダイニングサービスです。エリアや食のジャンルから気になる食事会の募集を探して応募することも、自分で行きたいお店の食事会を立てることもできます。予定を事前に立てて食事会を楽しむスタイルなので、平日の仕事と両立しながら、職場の外の食事仲間を無理なく広げられます。無料で始められるので、気になる方はどんな食事会が募集されているかをのぞいてみてください。