「角打ち」とは、酒屋の店内に設けられたスペースでお酒を楽しむスタイルのこと。店頭販売価格でそのまま飲めるため、居酒屋よりもリーズナブルに一杯を楽しめるのが魅力です。名古屋にはこの角打ち文化が少しずつ根付いており、栄・大須・名駅といった主要エリアで個性的な酒屋飲みを体験できます。名古屋の昼飲みスポットとあわせて巡れば、名古屋の酒場文化をより深く楽しめます。Gourmateは食を通じたつながりを生むソーシャルダイニングサービスですが、角打ちのようにカウンター越しの距離感で自然と会話が始まる場所は、まさに食の体験を共有するのにぴったりの空間といえるでしょう。

角打ちの基本を押さえよう

角打ちは、酒屋の一角に立ち飲みカウンターやテーブルが設けられた飲酒スタイルです。もともとは北九州地方で生まれた文化とされ、升の角に口をつけて飲んだことが名前の由来ともいわれています。居酒屋との違いは、お酒を「小売価格」で楽しめること。サービス料や席料がかからないため、ワンコイン以下で良質な地酒を味わえるケースも珍しくありません。

角打ちではお酒の知識が豊富な店主がカウンターの向こう側にいることが多く、「今日のおすすめは?」と聞くだけで、その日の気分に合った一杯を提案してもらえます。初めての銘柄に挑戦しやすい環境が整っているのも、角打ちならではの楽しみ方です。

栄エリアの角打ち

名古屋の中心部である栄エリアは、地下街を含めた商業施設が集まる繁華街です。角打ち文化があまり根付いていなかった名古屋において、このエリアに登場した酒屋併設の立ち飲みスポットが注目を集めています。

久屋大通の地下に広がるセントラルパーク内にある「酒や おおたけ」は、千種区春岡で創業した老舗酒販店「リカーショップオオタケ」が手がける角打ちスポットです。入口側に立ち飲みカウンター、奥に販売スペースという構成で、東海三県の蔵元を中心に毎日20種以上の銘柄を一杯330円から提供しています。地酒に合う東海地方の食材を使ったおつまみも10種以上揃い、仕事帰りの一杯にも観光の途中にも立ち寄りやすいお店です。

栄エリアの角打ちは地下街に位置しているため、天候を気にせず訪れられる点も大きなメリットです。名古屋の夏の暑さや冬の冷え込みを避けながら、気軽に地酒を楽しむことができます。

大須エリアの角打ち

大須は名古屋を代表する商店街エリアで、大須観音の門前町として発展した歴史を持ちます。古着屋や飲食店、電気街が混在する独特の雰囲気があり、若い世代から年配の方まで幅広い層が行き交う街です。

大須商店街の周辺には、立ち飲みスタイルで地酒を楽しめるお店が点在しています。商店街を歩きながら気になるお店に飛び込むスタイルが大須流の楽しみ方です。名古屋名物のどて煮をつまみに、愛知の地酒をやるのは格別の体験になるでしょう。どて煮は豚のモツや大根を八丁味噌でじっくり煮込んだ名古屋の定番料理で、甘辛い味噌の風味が日本酒との相性に優れています。

大須は食べ歩き文化が根付いたエリアでもあるため、角打ちで一杯楽しんだあとに商店街を散策し、手羽先や味噌カツといった名古屋グルメを楽しむコースもおすすめです。手羽先のスパイシーな味わいには、愛知県が誇る銘酒「醸し人九平次」のようなフルーティーな純米大吟醸がよく合います。

名駅エリアの角打ち

名古屋駅(通称「名駅」)周辺は、新幹線の停車駅としてビジネスパーソンや旅行者が行き交うエリアです。駅の高層ビル群とは対照的に、駅西側には昔ながらの飲食店や酒場が立ち並ぶ一角が残っています。

名駅エリアには、立ち飲みスタイルで角打ちが楽しめるお店が点在しており、新幹線の待ち時間を利用してサッと一杯引っかけるという使い方もできます。名駅二丁目三番街にある立ち飲み店などでは、気軽な価格帯で愛知県や東海地方の地酒を楽しめます。

名古屋の地酒としてぜひ試してほしいのが、名古屋市緑区の萬乗醸造が手がける「醸し人九平次」です。フランスの三ツ星レストランでも採用された実績を持つこの銘柄は、華やかな香りとしっかりした酸味が特徴で、ワインを思わせるエレガントな味わいです。また、奥三河の関谷醸造が手がける「蓬莱泉」は、穏やかな甘みとやわらかな口当たりが魅力で、名古屋めしとの相性も抜群です。

名古屋名物と地酒のペアリング

角打ちの醍醐味は、地元のお酒と地元の味を一緒に楽しめること。名古屋は独自の食文化が発達した街として知られ、角打ちで提供されるおつまみにも名古屋らしさが表れます。

手羽先は名古屋を代表する酒のお供です。パリッと揚がった皮にスパイスが効いた手羽先には、キレのある辛口の純米酒がよく合います。甘辛いタレで仕上げたタイプなら、やや甘口の純米酒を合わせると、味のバランスがうまくまとまります。

どて煮は八丁味噌のコクと甘みが凝縮された一品で、しっかりした旨味を持つ純米吟醸との組み合わせが好相性です。味噌の深い風味を受け止めつつ、後味をすっきりと流してくれるお酒を選ぶのがポイントです。

味噌おでんも角打ちのお供として人気があります。大根やこんにゃくに八丁味噌のタレがかかった素朴な味わいには、常温やぬる燗にした地酒を合わせるのがおすすめ。温かいおでんと温かいお酒の組み合わせは、特に寒い季節の角打ちで格別です。

名古屋で角打ちを楽しむコツ

名古屋の角打ちは、東京や大阪と比べるとまだ店舗数が少ないのが実情です。事前に営業時間や定休日を確認してから訪れるのが確実です。特に酒屋併設の角打ちは、酒販店としての営業時間と角打ちの営業時間が異なる場合があるので注意しましょう。

角打ちでのマナーとして覚えておきたいのは、長居しすぎないこと。立ち飲みスタイルのお店が多いため、30分から1時間程度でさっと楽しむのがスマートです。その分、一杯一杯を丁寧に味わう時間になります。

また、角打ちは常連客との距離が近い場所でもあります。隣の人がどんなお酒を飲んでいるか気になったら、「それ、何というお酒ですか?」と声をかけてみるのも角打ちの楽しみ方です。お酒を介した自然な会話から、次に試してみたい銘柄や、近くのおすすめの飲食店を教えてもらえることもあるでしょう。

角打ちから広がる食の楽しみ

角打ちは一人でふらりと立ち寄れる気軽さが魅力ですが、食を通じたコミュニケーションが自然と生まれる場所でもあります。酒屋の店主から地酒の背景にある蔵元のストーリーを聞いたり、隣に居合わせた人とおすすめの銘柄について語り合ったり。そうした体験は、ただお酒を飲むだけでは得られない豊かな時間です。

名古屋の角打ちシーンは発展途上にあり、新しいお店も少しずつ増えています。名古屋名物と愛知の地酒を角打ちスタイルで楽しむ体験は、この街ならではの食文化の深さを感じさせてくれるはずです。

Gourmateでは、こうした食の体験をさらに豊かにする食事イベントを掲載しています。角打ちで広がった食への興味を、新しい仲間と一緒に楽しんでみませんか。Gourmateで気になるイベントをチェックして、食を通じた新しいつながりを見つけてみてください。