社会人になってから友達を作るには、同じ人と何度も顔を合わせる場を、生活の中に意図的に作ることが近道です。学生時代は授業やサークルがその役割を自動的に果たしていましたが、社会人になると自分で用意しない限り繰り返しの接点は生まれません。この記事では、社会人になると友達が作りにくくなる理由を整理したうえで、きっかけを作る4つの場と、知り合い止まりで終わらせないための続け方をまとめます。
社会人になると友達ができにくくなる理由
友達が増えないことを、性格や努力不足のせいだと考える必要はありません。原因のほとんどは環境の変化にあります。
いちばん大きいのは、同じ相手と繰り返し顔を合わせる機会が消えることです。人が親しくなるには一定の接触回数が必要ですが、学生時代はその回数が時間割によって自動的に確保されていました。社会人になると、意識して予定を入れない限り同じ相手と再会することはありません。
次に、生活の時間帯がばらつくことです。勤務時間、通勤時間、休日の曜日が人によって違うため、誘いたい相手と予定が合わないことが増えます。ようやく合った日程が数週間先になり、そのうち約束そのものが流れてしまうという経験は珍しくないはずです。
そして、職場の関係が役割を前提としていることです。同僚とは毎日顔を合わせますが、そこにあるのは仕事上の立場であり、評価や利害から完全には自由になれません。だからこそ職場の外に関係を持ちたくなるのですが、その外側にちょうどよい場が見つからない、という状態に陥りがちです。職場の外にどれくらいつながりを持てているのかは、内閣府の全国調査をもとに実態を確認した記事で整理しています。
転勤や上京で土地が変わった場合は、これに加えて地縁のなさが重なります。頼れる知り合いがゼロの状態から始めることになるので、最初の一歩の負担がとくに大きくなります。この状況への向き合い方は転勤先で友達を作る方法をまとめた記事で詳しく解説しています。
きっかけを作る4つの場
ここからは、社会人が新しい関係を作る代表的な4つの場を見ていきます。それぞれ性格が違うので、自分の生活リズムに合うものから試すのがおすすめです。
趣味・習い事から始める
もっとも王道の方法です。同じ関心を持つ人が自然に集まるので会話に困りにくく、活動そのものが目的なので気負わずに参加できます。友達作りを意識するなら、一人で完結する趣味よりも、同じ場に人が集まる趣味のほうが向いています。
注意したいのは、続かない趣味を選んでしまうことです。人と会うために無理をして始めた活動は長続きせず、結局は関係も途切れます。目的別の選び方は社会人の趣味の選び方をまとめた記事、探し方とサービスの比較は同じ趣味の友達が欲しい社会人向けの記事で整理しています。
地域やコミュニティに参加する
住んでいる地域のスポーツクラブ、公民館の講座、地域のイベント運営などに関わる方法です。生活圏が同じなので移動の負担が小さく、続けやすいのが利点です。年代や職業がばらけるため、職場では接点のないタイプの人と知り合えます。
一方で、活動の頻度や役割の重さが場によって大きく違います。運営側に回ると負担が一気に増えることもあるので、参加の度合いを自分で選べるかを最初に確認しておきましょう。
勉強会・イベントに出る
仕事に関わる勉強会、読書会、ワークショップなど、学びを軸にした集まりです。目的がはっきりしているので参加のハードルが低く、単発で試せるのも気楽です。仕事につながる知識が得られるという副次的な利点もあります。
ただし、単発のイベントは一度きりで終わりやすいという弱点があります。同じ主催者が定期的に開いている会を選ぶか、終わったあとに次回の予定を確認しておくと、関係が続く可能性が上がります。
食事の場から始める
食事を軸にした集まりに参加する方法です。全員が食べるという共通の行為を共有するため、初対面でも沈黙が気になりにくく、料理そのものが会話のきっかけになります。参加が一回で完結するので、継続的な参加が前提の場よりも始めやすいのも特徴です。
気をつけたいのは、その場が何を目的にしているかを事前に確かめることです。目的が食事なのか、別の何かなのかがあいまいな場は、参加者どうしの期待がずれやすくなります。
自分に合う場を選ぶときの3つの判断軸
4つのうちどれを選ぶかは、次の3つの軸で判断すると失敗が減ります。
一つめは、同じ顔ぶれと繰り返し会えるかです。関係が育つかどうかはここでほぼ決まります。毎回参加者が総入れ替えになる場は、知り合いは増えても友達には育ちにくいと考えておきましょう。
二つめは、初回の負担の軽さです。道具をそろえる、月謝を払う、事前に予習をするといった準備が多いほど、最初の一歩が遠のきます。まずは持ち物なしで参加できる場から試し、続けられそうだと分かってから投資するほうが確実です。
三つめは、目的が明示されているかです。何をする集まりなのかがはっきり書かれている場は、参加者の期待がそろっているので気まずくなりにくくなります。募集の文面に人数・時間・費用が書かれているかも、あわせて確認しておきたい点です。
この3点を満たす場が身近に見つからない場合は、一つに絞らず二つ三つを同時に試すのが現実的です。どれか一つが自分に合うかどうかは、参加してみるまで分かりません。合わないと感じた場をやめることも含めて、いくつか回してみるつもりでいると、うまくいかなかったときに落ち込まずに済みます。
知り合いから友達へ関係を育てる続け方
場に参加しただけでは、知り合いが増えるにとどまります。そこから先に進むために効く工夫は、実はそれほど多くありません。
最大の分かれ目は、2回目の約束をその場で作れるかどうかです。別れ際に「次はあそこに行ってみたい」「次回の活動日はいつですか」と一言添えるだけで、あらためて連絡を取り直す心理的な負担がなくなります。あとから誘うのが難しいと感じている人ほど、この一手が効きます。
会話が続かないことを不安に感じる場合は、質問の型をいくつか用意しておくと安心です。相手の答えに合わせて広げられる質問を持っていれば、沈黙を恐れずに済みます。具体的なフレーズは初対面の食事で使える質問と会話の型をまとめた記事にまとめています。
もう一つは、連絡の頻度を上げようとしないことです。メッセージのやり取りを増やしても関係は深まりにくく、むしろ負担になります。会う回数を少しずつ重ねるほうが、関係は安定します。会えない期間が空いても、気にしすぎないほうがうまくいきます。
そして、全員と仲良くなろうとしないことです。同じ場に何人いても、気が合う相手はそのうちの一人か二人にとどまるのが普通です。広く浅く声をかけ続けるより、話していて楽だと感じた相手に次の約束を持ちかけるほうが、結果的に関係は残ります。相手の反応が薄いときは無理に押さず、別の場で別の相手を探すほうが健全です。
食事の場から始める
4つの場のうち、もっとも始めやすいのが食事の場です。準備がいらず、参加が一回で完結し、料理という共通の話題が最初から用意されているためです。Gourmate(グルメイト)は「食」を起点に、人がつながるソーシャルダイニングサービスで、エリアや食のジャンルから食事会の募集を探して応募できます。お店・日時・人数・予算が先に決まっているので、目的のずれや費用の気まずさが起きにくいのが特徴です。
予定を前もって立ててから食事会を楽しむスタイルなので、仕事の都合で予定が読みにくい人でも段取りしやすくなっています。まずは一回参加してみて、続けられそうかどうかを確かめるところから始めてみてください。